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部屋を真っ暗にして、ベランダにつながる窓を全開にして虫の声を聞きながら、明日も早いしバイト終わりで疲れているけど、すこし夜更かしする。

あの子が来るかもしれないと、サークル棟の鍵当番に向かう。ほんの少しの期待を抱いて、トイレに寄って勝ったばかりの香水をふる。液体が蒸発するのを待って外に出る。

案の定彼は部室の鍵を借りるために現れて、少しだけ立ち話をした。LINEでBBQをすることを報告していて、私の腕が意外と焼けなかった、とかどうでもいいような話をした。1時間くらいすると、またやってきて今度は向かいに座っておしゃべりした。私は内定先のアンケートにせっせと答えてたのだけど、実際は気が気でなくて、家の住所をキチンとフォームに入力できたのかもわからない。そこからまた彼は部室に戻って行って、私は読みかけの小説をどんどん読み進めた。終わりの時間になって、女の子の部員を連れて鍵を返しにきて、バイバイするのかと思ってたら、その子達を先に返して、私を待ってると言ってくれた。内心めちゃくちゃ嬉しいくせに、あらそれならいいけど、みたいな態度で帰りの準備をした。まさか一緒に帰れると思ってなかったから、乗り換えの駅の一駅前で降りて歩くことを提案した。普通に考えてめちゃくちゃ暑いしだるいのにきちんと30分歩いてくれて、贅沢な時間の使い方って言ってくれた。軽く見たらいけないよって自分に言い聞かせたい。