今は、北アルプス雷鳥になって登山家に有難がれたい。

どこまでも考えが読めなくて、手に取れなくて、それならこちらもと沈黙を貫いた。その結果何にも分かり合えることなく、というより、意味が取れないことを話し続ける彼氏vsなにも言わない黙り続ける彼女の意地の張り合いになっていったのだと思う。
 
一対一の関係において、”普通”とか”一般的”はどこまで通用するのか。普通を一番大事にしてきた私と、普通が一番つまらないと言う彼で、自分にない部分に惹かれたのに結局そこが溝になってしまった。今までの二十年ちょっとの経験によって”普通”を構築してきたけど、当然育ってきた環境も風土も異なると見えてる景色はかなり違うものになるのだと当たり前のことを痛感させられた。こういう考えも”普通”なのか疑う。
 
他人を理由にするのは簡単だけど、判断は常に自己責任だし納得のいく方に舵をとっていきたいと。相手の幸せが自分の幸せに繋げられたらいいね。
ここの半年間、もっと言えば夏休み前から今までの二ヶ月、高速道路にのった時の耳の感じや水の中の静けさの中にいる感覚だったのだと、今になって気付いた。現実世界に引き戻されて、バイト先の子達の話や、サークルの仕事の話が聞こえてきて、日常の解像度が上がった。長い夢を見てたのかもね。
 
アクティブなファミリーのデカい犬になってリビングで偉そうにしたり海辺を賢そうに歩かされるのでもいいかもしれない。